Q&A


よくあるご質問をまとめてみました。

ストレスと心の病

軽症のうつ病とパニック障害の話

 最近、街には「癒し系」グッズがあふれています。「癒し」がここまで身近な存在になるとは、現代人の抱えるストレスも抜き差しならない状況になっているのかもしれません。このコーナーでは、ストレスについて、院長がQ&A形式でわかりやすく説明していきます。

その前に、こちらであなたのストレスをチェックしてみましょう。

Q1:ストレスと心の病の関係をおしえて!

 

A1:心の病はストレスフルな、辛い状況から起こることが多いのです。その中でも、一番多いのが〈軽症のうつ病〉〈パニック障害〉。これらはストレスが引き金となって起こります。

 

Q2:〈軽症のうつ病〉と〈パニック障害〉ってなに?

 

A2:意欲が低下して悲観的になるのが〈軽症のうつ病〉で、突然めまいや動悸に襲われて、自分が死ぬのではないかという症状が出るのが〈パニック障害〉です。どちらも最近、増えてきてます。重症の方はそんなに増えてはいませんが、軽い落ち込みを訴えられる軽症のうつ病の方は増えてますね。

 

 この〈軽症のうつ病〉は、めまいや動悸などといったわかりやすい症状の出るパニック障害とちがって、自覚症状が出ないケースもあります。この場合、体がだるい、眠れないなどの身体症状がでてはじめて気づきます。自分で意識的にセルフチェックをしておかないと知らない間にうつ病になっていた、ということも有り得ます。軽症のうつ病にかかる人は物事をなんでも悲観的に考える、という思考パターンがあるんですよ。それを認知し、そういった考えに陥らないよう訓練していけば、だんだんとよくなっていきます。

 

〈パニック障害〉は、女性の20人に1人が一生に一度はかかると言われているものですが、日本は男性も多いですね。アメリカでは圧倒的に女性の罹患率が高い。これは呼吸が早いなど、体質的なものも関係しています。どちらにしてもストレスをためないことが肝要です。

うつ病

Q3:じゃ、どうしたらストレスを解消できるの?

 

A3:一番の方法は、頻繁に気分転換を行うことですね。どんな些細なことでもいいですから、「ストレスを感じた」と思ったら、気分転換を図る。ストレスに感じるものにとらわれすぎないようにすることです。気持ちをさっと切り替えて、違うことをおこなうようにする。仕事もうまくいかない時は少し休んで、気分をかえてみてはどうでしょう。

 

Q4:それでもダメなときは?

 

A4:それは、とにかく動くことですね。やる気にならない時でも、頑張って体を動かしてみる。カラオケ、スポーツクラブ、趣味のこと、なんでもいいんですよ。そのうち、気持ちがかわってきます。軽いうつ状態の時など、「そんなことで気持ちが晴れるワケがない」とか、「やってもおもしろくない」と思いますが、それが悲観主義そのものですから、打破するためにとりあえず一歩、踏み出す。それが思考パターンをかえることになるんです。実際にやってみると結構、できるものですよ。そのうち自分に対する評価がかわって、気持ちも切り替わっていきます。

 

Q5:自分ひとりでは、うまくいかなかったら?

 

A5:そんなときは専門家の力を借りるのも一法です。いそべクリニックは「可能な限り少ない投薬」を目標としています。うつ病には〈認知療法〉、パニック障害には〈認知行動療法〉という最新の科学的治療技法がありますので、薬をいたずらに使うこともありません。

 

Q6:〈認知療法〉ってなに?

 

A6:これは、カウンセリング担当のモリヤマさんに答えてもらいましょう。「ただ、感情に振り回されるのではなく、自分を客観視するようにします。自分にどんな考え方の偏りがあるかを認知して、その考えに陥りそうになった時に回避できるよう、コントロールする術を身につける。そうすれば悲観思考にならないですみます。感情のモニタリングを行うことは大事なことだと思いますね」。

 

Q7:他にも、ストレスに関係する〈心の病〉ってあるのですか?

 

A7:そういった意味で、近ごろ目につく心の病には、〈対人恐怖症〉〈自律神経失調症〉がありますね。以下を読んでみてください。

パニック障害

近ごろ目につく心の病


対人恐怖症

〈対人恐怖症〉とは、自分が他人にどう見られているかこだわりすぎる病気のことで、はじまりは自分の表情や視線、動作が他人にどんなふうに映っているのかが気になりだすところから。そのうち、赤面、手のふるえ、表情のこわばりなどを心配しはじめ、最終的には人と接することができなくなってしまう。   なんでもかんでも平均点の好きな日本人に多い病気で、イギリスやアメリカに対人恐怖症はほとんどない。自分の口臭やわきがを過剰に気にする自己臭恐怖症や、自分の外見が醜いと心配する醜形恐怖も同じ種類だが、どれもだいたい30歳ぐらいまでには自然に治るといわれている。

自律神経失調症

 「原因不明の不快感を心配して病院に行ったら、自律神経失調症だといわれた」、「内科も、耳鼻科も、眼科も行ったけど異常なし。最終的に下された病名が自律神経失調症」という話をよく聞く。眠れない、食欲がない、めまいがする、肩が異常に凝る、手足がブルブルとふるえるなど、ハッキリと症状に表れているが、調べるとなんともない。そういう時につけられる病名がこの自律神経失調症だが、こういった症状の裏にうつ病、パニック障害、心身症が隠れていることも往々にしてあるので、注意が必要。